2008年1月27日、アトランタ五輪・フランスW杯などでも活躍し、昨年横浜FCを最後に引退した城彰二氏の引退試合があった。とても豪華なメンバーで、本人曰く『アトランタ五輪とフル代表と…融合させてやってみたいなと思った』というラインナップ。母校(鹿実)の関係者から花束を贈呈されて、試合はスタート。
JO DREAMSの18番としてKICK OFF。アトランタの再現かと思う場面やフランスW杯世代の投入などあり、ピッチの上では「このために1週間合宿してきた」(前園氏談)というプレーを見せる。後半は03-06 YOKOHAMA FC ALL STARSの9番“KING JO”へ。もう一人のキング三浦知良選手と10年前に見たアノ儀式を再現し、10,015人が集まったスタンドは「おおっ!」というなんともいえない雰囲気に。終わってみれば全得点を城選手本人(ハットトリック)が決めるという最高の形で引退試合は終了した。
観戦しながら「90分間試合の緊張感を維持すること」について考えた。集中力が切れてしまいがちな時間帯はあるのだろうか?そんな時はどうするのか?ひょっとするとKICK OFF前の時間が大事なのか…?サッカー選手にとって「90分はどういう時間だろう?」。
しかし今日の主役は、現役サッカー選手を引退し夢に向かって走り始めた人間。彼はどんな風に90分の中に人生を見ているのだろう?
−城選手にとって、今日は人生を90分に例えたら何分ですか?
彼は「1分ですね」と答えた。私は “後半開始の46分”という答えを予想していたので、驚いた。彼にとって、今日はJリーグの監督になるという夢、指導者の道ではじめの1歩を踏みしめた日だという。まだ現役を続けられるとも思うが、子どもたちに直接教えられる今を選んだとのこと。節目ではあるが、終わりではない。
「ここまでがはじめの1分であって、…残りの89分を走っていきたいと思います。」
質問者の目を見て話す彼には説得力があり、私は次の質問が出てこなかった。城彰二という人間を尊敬のまなざしで見るようになった。彼の人生は始まったばかり、同年代としてこれからもずっと応援したいと思った。


