快晴にも関わらず強い風が吹き、まだ肌寒さが感じられる2月24日に横浜国際女子駅伝は開催された。その寒さに誰もが悶える中、選手たちは懸命に横浜の地で襷を繋ぎ、ゴールまで駆け抜けていった。彼女たちが凛々しく走る姿に、どれだけの人が勇気と感動を貰ったのか。そして、熱くさせられたのか。
どの選手も、襷には魂と情熱を込めている。それだけは間違いない。各地域・国の選抜チームを背負うのだから、思い入れは並々ではないはず。この大会で全チームが目指すゴールは、スタート地点でもある赤レンガ倉庫前。各選手の年齢も競技経験のキャリアも異なるが、全員が思いを1つにしなければゴールには辿り着かない。
実はこの駅伝が催されている最中、
―「沢山の応援があって気持ちよく走れました!」
と口を揃える。まだまだ若い彼女たちにとって、マラソンや駅伝の醍醐味は「走り終わった後の快感」だと言う。アンカーの福井望未さんも、
―「アンカーはプレッシャーだけど走るのは楽しい。」
と笑顔で話した。“走りは楽しい”という原点を忘れずに、彼女たちは走り続けていくことだろう。

元気いっぱいのミニ駅伝
ミニ駅伝が一足先に終わった頃、メインの駅伝もヒートアップしてきた。選手と同様に、路上の観客からの声援もゴールに近づけば近づくほど大きくなる。赤レンガ倉庫前では、アンカーの選手がゴールテープを切る毎に多くのカメラのフラッシュが焚かれ、チームメイト同士で走りを称え合うシーンが数々あった。熱い涙、抱擁、歓声…それは閉会式まで絶えなかった。
ゴールした吉川選手を迎える日本ナショナルチーム
そんな中、今回の駅伝を支える一員となった2人の選手と監督にスポットを当てた。まずは、神奈川チームの倉林俊彰監督。倉林監督はこの駅伝で監督をやっていて、こう感じていた。
―「挽回したいという気持ちが、選手に力を出させたのでしょう。同じ県内チームだからというのもあるのか、よくまとまっていた。」
まさにその通りだ。チームのまとまりが、襷を繋ぐための最大要素なのだから。
―「選手には、自分の所属するチームの監督とのコミュニケーションを上手く図ってほしい。そして、それを将来に生かしてもらえたらと思う。」
例え選手たちが自分の所属チームの一員でなくとも、倉林監督が神奈川チームの選手たちへかける期待は大きかった。
8位でゴールテープを切る神奈川チーム
その倉林監督率いるパナソニック所属で、日本ナショナルチームの吉川美香選手は、この駅伝をこう振り返る。
―「まず、地元・横浜で走れたことが嬉しいです。もう一度チャレンジしたいという思いが今は強いですね。また一つ課題ができ、1つのステップになりました。」
この大会をステップとし、今後さらに飛躍するために
―「走りこみの時期を生かし、レベルを上げていこうと思います。もちろん、トラックシーズンも大切にしながら。」
と語った。監督の熱意は、教え子に直に伝わっている様子だった。
走りへの情熱なら、東海・北陸選抜の高橋紀衣選手も並々ならない。高橋選手は、今回走ってこのような思いを抱いていた。
―「調子は良くなかったけれど、全力を出そうと心がけた。選抜に選ばれた以上、代表という意識を強くして走り抜きました。走っている間は、沿道の声援がとても力になりました。駅伝は個人とは違って皆で走るから、そういった応援も励みになります。」
そう熱く話してくれた高橋選手のこれからの目標は、次の通りだ。
―「日本のトップに近づきたい。できれば世界も目指したい。」
東海・北陸選抜 高橋紀衣選手
高橋・吉川両選手は、将来きっと今より磨きぬかれた走りをしているに違いない。
ランナーは年齢・性別関係なく、それぞれの未来へ紡ぐべき襷を持っている。それを何度も繋いで、1人1人の選手人生が繰り広げられるのだ。マラソン・駅伝をやっている全ての人は、悔いの残らぬよう自分の未来への襷を繋いでいくことだろう。
●体験取材の感想●
人の走る姿は、見る人全てを熱くさせるのだなと改めて感じました。駅伝ほど、選手と観客が一体となれるスポーツは少ないでしょう。機会があれば、来年またこの大会を見に行きたいです。
